ワンコイン・プロジェクト「ネパール緊急支援」活動報告

※世界平和青年連合(YFWP)は2017年5月から世界平和青年学生連合(YSP)へ移行しました。

 2015年4月15日に発生したネパールでの大地震後、緊急災害復興支援のワンコイン・プロジェクトを全国で呼びかけさせていただき、支援者の皆様のご協力で支援金476,888円が集まりました。心から感謝申し上げます。
 
 今回、その支援金でネパール被災地と7つの学校での医療奉仕と支援活動を行いましたので報告いたします。世界平和青年連合(YFWP-Japan)は日本に留学中のネパール人・スバシュ・ジャー医師が母国での医療奉仕活動を希望されたので、現地の青年連合(YFWP-Nepal)とともに医療奉仕活動を支援し、YFWP-Japanが支援してきた現地の5つの学校を中心に、ニーズの把握のための視察と支援活動を行いました。期間は地震発生から一か月後の5月22日から6月11日までの21日間でした。
 

 5月23日、YFWP-Nepalのボランティアのメンバーとジャー医師を含める8人の医療の専門家、そしてネパールの国民的歌手でもあるアナンダ・カーキーさんとインディラ・ジョシさんらと共に、地震の被害が大きかった村に向かい、医療奉仕と歌と踊りの披露を行うリリーフプログラムを行いました。
 
 医療奉仕では計341人が診察を受け、体の状態に応じた薬を処方されました。この村にはYFWPと共に同プログラムを主催したDisaster Relief Peace Committee(DRPC)の創設者でもあるエクナツ・ダカル国会議員も訪問され、プラカッシュ・サパYFWP-Nepal会長とともに被災者のかたがたを慰労しました。
 

 今回のネパール訪問のメーンでもある、YFWPが支援する学校の視察と支援では、ゴルカ群にある学校を除いた、カトマンズ近郊にある4つの学校を2回ずつ訪問しました。1回目の訪問で各校の校長先生やスタッフと直接、建物や生徒達の状況を確認し、2度目の訪問では、各校に筆記用具やスポーツ用品やお菓子などを寄付し、ジャー医師による被災者の診察と二人の歌手による歌の披露を行い、各校の生徒達やその場に集った親や他の大人達も参加しました。
 
 この4つの学校以外にも、HIV患者の子供たちだけが通う学校(Safalta HIV Sikshya Sadan)やカトマンズ市内のいくつかの学校も訪問し医療奉仕と音楽活動と物資援助を行いました。
 
 2度の学校訪問の合間には、3日間をかけてダディン市にあるチパン村とYFWPが支援している学校があるゴルカ郡と震源地のバーパック村を訪問し、奉仕活動をする旅にでました。この旅には二人の歌手とジャー医師も同行し、サパ会長と共に向かいました。各訪問先でも、医療奉仕や歌と踊りが披露され、物資援助でもお金やお米を寄付しました。
 

 今回のネパール訪問では、副大統領にも2度ほど直接、活動報告などをする機会も与えられました。6月8日に訪れた2度目の報告会には、サパ会長とジャー医師と二人の歌手も同行し、サパ会長が医療奉仕や歌手のかたがたの活動などを中心に報告し、副大統領も各方面の専門家が被災者の人たちのために尽くされた事を知り、感謝の気持ちを伝えていました。
 
 こうしてYFWPとDRPCの共催で行われたリリーフプログラムは副大統領も強い関心を持ち、国内でも活躍されている二人の歌手やジャー医師、そして多くの若いボランティアの献身的な活動が評価され、国内の新聞の記事やオンラインのニュースでは計10回、活動が取り上げられました。
 
 今回訪問した学校で、カトマンズ近郊でも特に貧しい家庭の子供たちが通うジョイティ小学校では、ジャー医師の診察を受けた生徒の保護者が「地震以後、足首に痛みがありいつも心配な気持ちで生活していたが、捻挫と診断され、私でもできる治療方法を教えていただいたので、凄く安心しました」と語り、同校付近の村に住む住民は「生徒がこんなに楽しそうに歌ったり踊ったりしているのは凄く久しぶりだ」と語っていました。
 
 一方では、同校の生徒たちの中には、お金があまりに厳しく、昼食を学校に持参することができない生徒も何人かいて、その生徒たちの大半は昼食時には帰宅し、午後からの授業には出席しないという事でした。その子たちが学校で集中して勉学に取り組めるための援助が必要だと同校のデブコタ校長は話していました。
 

 クリエイティブ・ラーナーズ・アカデミーのクリシュナー校長は「三つの教室は壁が崩れ、生徒達もいつ建物が崩れるかわからないという恐怖心で授業にも集中できる状態ではない」と語られ、教室の建て直しのための援助をお願いしたいと話されていました。HIV患者の子供達の通う学校への訪問では、帰り際に小学校低学年の生徒が「私達の事を忘れないでください」と片言の日本語で伝えてきました。
 
 ネパール大地震から約1ヵ月半が経ち、現地の各学校も再開してきていますが、学校によってはまだ子供たちへの支援や教室の壁の建て直しやフェンスの設置などが必要な状態です。復興にはまだ時間がかかります。これからも皆様のネパールの学校への支援を心よりお願い申し上げます。

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